2022年度研究プロジェクト 後半発表

データ表示形式による注視活動の違いを眼球運動計測によって評価比較する

情報通信系3年 河合輝良 (担当教員: 中山実)

実験内容

  • 同じグラフを2Dと3Dでそれぞれ10秒ずつ提示し、注視活動を計測する
    • グラフを提示する前に5秒間ずつ問題文が提示される

2D 3D

参考文献: Designing for Visual Influence: an Eye Tracking Study of the Usability of Graphical Management Information (Renshaw et al.)

実験内容

  • 実験は2回行う
    • 1回目は特に指示を行わず自由観察
    • 2回目は特定の数値を読み取るよう指示

測定方法

  • 2019年に測定した6人のデータを使用
  • アイマークデータ解析ソフトウェア「EMR-dStream2」を使用
    • 両目の動きを時系列で記録できる
    • 複数画像の切り替わりにも対応
  • Pythonでプログラムを作成し、CSV形式のデータを分析
    • 注視点の分布
    • 注視点の総数
    • 総注視時間
    • 注視点間の総距離

実験結果 - 注視点の分布1

  • 1回目はタイトルや目盛りをよく見る傾向
  • 2回目は指定された箇所への注視が増加

※図はある被験者の右目の注視点の分布

実験結果 - 注視点の分布2

  • 1回目はタイトルや説明文への注視が多い
  • 2回目はグラフの中への注視が増加
    • 指定された箇所への注視が
      特に多いわけではない

※図はある被験者の右目の注視点の分布

実験結果 - 注視点の総数

  • 指示文はともにほぼ変化せず
  • グラフはともに減少

※グラフは1枚目1回目, 1枚目2回目, 2枚目1回目...の順で表示

実験結果 - 総注視時間

  • 指示文はともに若干減少
  • グラフはともに中央値は増加したが平均はほぼ変化せず

※グラフは1枚目1回目, 1枚目2回目, 2枚目1回目...の順で表示

実験結果 - 注視点間の総距離

  • 指示文はともに平均、中央値はほぼ変わらず、ばらつきが増加
  • 2Dグラフは減少したが3Dグラフはやや増加

※グラフは1枚目1回目, 1枚目2回目, 2枚目1回目...の順で表示

考察

  • 1回目は何も指示されていなことから、どこを見ればよいか分からないため細かなデータよりもタイトル、説明文も含めた画像全体を見ることが多い
  • 2回目は特定の数値を読み取る必要があることから、説明文よりもグラフ中の特定のデータに注視するように
  • 2回目は既に一度見ているため、グラフに関して注視点の数は減少し、特定箇所への注視時間が増加した

課題

  • 2回目の3Dグラフにおいて、なぜ指示された箇所ではなくグラフ内全体への注視が増加したのか
  • なぜ注視点間の総距離は2Dグラフでは減少したのに3Dグラフでは増加したのか

group1/sub2/R

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